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'''擬人観'''(ぎじんかん)とは[[人間]]以外の[[動植物]]、無生物、事物、自然、概念、[[神]][[仏]]などに対し、人間と同様の姿形、性質を見いだすことである。
  
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英語ではAnthropomorphismだが、実際には[[w:Personification]]の訳語として用いられることのほうが多い。しかしPersonificationはより広い意味を持つ。そのため厳密にはAnthropomorphismは「人間形態化(観)」とでも翻訳すべきだが、どちらも「擬人化(観)」という訳語が定着している。
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多くの[[神話]]では神々に対して擬人観的な方法手段を用いている(例えば、[[ギリシャ神話]]・[[ヒンドゥー教|ヒンズー神話]]・[[日本神話]]など)。
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日本では伝統的・宗教的に[[偶像崇拝]]が[[タブー]]視されにくかった為、擬人観に対する抵抗が低い。このため日本人は無生物である[[ロボット]]に対しても擬人視して扱うことが多い。日本においては「森羅万象全ての物に魂が宿っている」という多神教の考えもあるため、擬人視は神道に通ずるものもある。
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古代ローマの宗教ではさまざまな存在や概念に与えられた名詞がそのまま神格となっており(勝利=勝利の女神=ウィクトリアなど)、擬人観はほとんど空気のような概念だった。
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しかしその一方で現在西欧では、[[キリスト教]]や[[ユダヤ教]]では神を擬人視することに対し否定的であり、また「人は人」「他は他」という思想により、そういった擬人観的な要素は少ない。とはいうものの、難解な抽象概念や[[アレゴリー]]などは「無学者の書」とも呼ばれた[[絵画]]によって擬人視されることもしばしばあった。この伝統は[[カリカチュア]]、[[漫画]]へと連なってゆく。
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==概要==
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'''擬人化'''(ぎじんか)とは擬人観を元に、対象を人間のように見る(表現する)ことである。
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擬人化の具体例をあげると、まず[[自動車]]や[[鉄道車両]]の絵を描く際に車体前面を人間の顔に模して描いたり、[[ペット]]の動物や[[観葉植物]]に対し、人間相手のように話しかけたりする行為などが挙げられる。
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==フィクションの擬人化==
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また創作の世界で動植物・無生物などが[[人格]]のある存在として描かれることや、[[漫画]]・[[アニメ]]等で人間外の動物が動物の耳や尻尾を備えた人間の姿で描写されることも擬人化である。
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[[乳幼児]]期の子供は、一般的に動植物・無生物などを擬人視して考える傾向にある。そのため、この年代を対象とした[[絵本]]や漫画・アニメでは動植物・無生物などが擬人化されて登場することが多い。
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擬人化された動物キャラクターの歴史は古く、日本最古の漫画ともいわれる『[[鳥獣人物戯画|鳥獣戯画]]』にも擬人化された[[カエル]]や[[ウサギ]]などが登場する。
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異なる[[種 (生物)|種]]の(擬人化された)動物が一緒に生活しているという世界設定の物語の場合、[[捕食-被食関係]]は無視されて「みんなお友達」として描写される場合と、実際の動物と同様に捕食-被食関係が存在している場合とがある。
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[[江戸時代]]の[[草双紙]]『心学早染草』(しんがくはやそめぐさ)では、人の心の善悪を[[善玉悪玉]]というキャラクターで擬人化している。
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また、作品によっては擬人化された動物と擬人化されていない動物とが共存している描写も見受けられる([[ウォルト・ディズニー・カンパニー|ディズニー]]キャラクターの[[グーフィー]]と[[プルート (ディズニーキャラクター)|プルート]]はその典型的な例)。
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===主な例===
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;アニメ・絵本の擬人化
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*[[ミッキーマウス]]、[[ドナルドダック]]などの[[ディズニー]]キャラクター
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*[[名探偵ホームズ]](日伊合作のアニメ。登場人物がすべて犬に置き換わっている)
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*[[アンパンマン]]([[やなせたかし]]作の[[絵本]]およびこれを原作としたアニメ。パンなどを擬人化)
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*[[おでんくん]]([[リリー・フランキー]]作の絵本およびこれを原作としたアニメ。登場人物はおでんの具)
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*[[あらしのよるに]]([[木村裕一|きむらゆういち]]作の絵本およびこれを原作としたアニメ映画。オオカミとヤギの友情物語)
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*[[ケシカスくん]]([[村瀬範行]]作の漫画。[[文房具]]を擬人化)
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<!--*[[十二戦支 爆烈エトレンジャー]] (テレビアニメ。鶏のタルトが人間化)-->
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;歌の擬人化
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*赤いトラクター([[小林旭]]の歌。トラクターを男性に擬人化)
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*怪傑黒頭巾([[つボイノリオ]]の歌。コンドームなどを擬人化)
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*[[掌/くるみ|くるみ]]([[Mr.Children]]の歌。「くるみ」とは、「これから来る[[未来]]」を女性に擬人化したもの)
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==サブカルチャーの擬人化==
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[[Image:Wikipe-tan full length.png|thumb|Wikipediaを擬人化した[[Wikipedia:ウィキペたん|ウィキペたん]]]]
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現代の[[日本]]では、漫画・アニメなどに関する[[同人]]用語で、ある[[物語]]に登場する動物系・非人間キャラクターを人間に置き換えて別の新たな物語を作ることや、動植物・非人間キャラクターや無生物などの外見を人間化(擬人化)したイラストを描く(または[[コスプレ]]で演じる)ことを特に'''擬人化'''とジャンル分けする場合がある。
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この場合、該当キャラクターや無生物をイメージしたコスチュームを着用した人間として描かれる(コスプレされる)ことが多い。ただし、元のキャラクターが服を着ている場合は、それと同じ服を着用した人間として描かれる(コスプレされる)ことが多い。同人の枠を超え、「びんちょうタン」や「090えこといっしょ。」など商業キャラクターも生まれている。
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===主な例(サブカルチャー)===
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;既存キャラクターの擬人化
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*[[ポケットモンスター_(架空の生物)|ポケモン]]の擬人化
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*[[ケロロ小隊]]の擬人化
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*[[ドラえもん]]の擬人化
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*[[アンパンマン]]の擬人化(アンパンマンは元々パンの擬人化なのでそれをさらに擬人化というのは本来おかしいが、この場合、より人間に近い姿にする意味合いを含む。本来ならば「人間形態化」とでも表現すべきであるが、同人用語としては擬人化という表現が定着している)
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*[[モビルスーツ]]の擬人化([[MS少女]]、[[アッガイ#アッガイの萌えキャラ化|アッガイ(アガーイ)たん]])
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*[[2ちゃんねる]]の[[アスキーアート]]の擬人化([[ギコ]]、[[しぃ]]など)
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;コンピュータ関連のプロダクトの擬人化
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[[Image:Opera-tan.png|thumb|[[おぺらたん]] ]]
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*[[Internet Explorer]]の中止ボタンの擬人化(しいたけちゃん)(いわゆる「萌え擬人化」ブームのはしりと言われる)
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*[[オペレーティングシステム]]の擬人化(マジカルとこちゃん、OSアイドルWinちゃん)
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*[[Webブラウザ]]やインターネット上のプロダクト/コンテンツの擬人化(Firefox子、[[おぺらたん]]、mixiたん、トラックバックたん)
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**関連:[[もえじら組]]
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*[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]の擬人化([[モノごころ、モノむすめ。]]、[[MSX]]たん など)
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*[[携帯電話]]の擬人化([[090えこといっしょ。]]、[[Like Life]])
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*[[DVD]]ライター・[[ブルーレイディスク|BD]]ライターの擬人化
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*[[通信回線]]の擬人化(ナローたん) 
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*[[プログラム言語]]の擬人化(アセンブラたん、コンパイラたん、Cたん)
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;その他の商品・事象等の擬人化
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*[[鉄道擬人化]](京急たん、[[ファステックたん]])
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*[[航空機]]擬人化(JALたん、ANAたん、コンコルドたん)
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*[[兵器]]擬人化([[九七式中戦車 チハ|チハ]]たんなど)([[メカ少女]]では主流な表現)
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*[[書物]]の擬人化([[斬魔大聖デモンベイン]]、[[ノストラダムスに聞いてみろ♪]])
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*固有[[商品]]の擬人化([[びんちょうタン]]、[[ビスケたん]]、[[ミルメーク]]、[[ハバネロたん]]、[[コンビーフたん]]、[[煙草]]擬人化)
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*[[国]]の擬人化([[国際情勢風刺寓話集ニホンちゃん|ニホンちゃん]]、[[あふがにすタン]])
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*[[コンビニエンスストア]]の擬人化([[コンビニたん]])
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*[[ゲーム機]]の擬人化 (決められたキャラクター像は特に無い)
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*[[妖怪]]の擬人化(ベア子([[バックベアード]])など)
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<!--記事移動したらはずしましょうか?
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*[[ロゴマーク]]の擬人化([[週刊少年ジャンプ|ジャンプ]]マークなど)
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*[[プロ野球]]チームの擬人化([[とらとかぷのとほほ漫談]])
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*[[お菓子]]の擬人化([[ホワイトロリータ]]たん、など)
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*[[硬貨]]の擬人化
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*[[自動車]]の擬人化 
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*[[楽器]]の擬人化 (テレキャスさん、ストラたん)
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*[[地方公共団体]]の擬人化([[ぷにカラー23]])
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*[[法律]]の擬人化 
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*[[キルヒホッフの法則]]の擬人化(キルヒたん) 
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*[[惑星]]の擬人化(セドナたん) 
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*[[惑星探査機]]の擬人化(はやぶさたん) 
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*[[名無しさん]]の擬人化(名無したん、削除人)
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;[[動植物]]の擬人化
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*[[オオムラサキ]]の擬人化([[下妻市]]が、マスコットキャラ[[シモンちゃん]]として採用)
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*[[アロエ]]の擬人化(びんちょうタンの中のキャラクターとして登場)
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*[[ウシ]]の擬人化(仙台牛タンのマスコットキャラクター「もーたん」)
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*[[蚊]]の擬人化(蚊たん)
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*[[クラゲ]]の擬人化(エチゼンクラゲたん)
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*[[香草]]の擬人化
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==擬人名==
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'''擬人名'''(ぎじんめい)とは、人間以外の動物や無生物、行為などを擬人化して呼ぶ名前である。
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===主な擬人名の一覧===
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ここでは、慣用的に広く用いられる擬人名の中で主なものを挙げる。
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'''[[国]]の擬人名'''
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*[[マリアンヌ]]([[フランス]])
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*[[ジョン・ブル]]、[[ブリタニア (女神)|ブリタニア]]([[イギリス]])
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*[[アンクル・サム]]([[アメリカ合衆国]])
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'''[[川]]の擬人名'''
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*[[坂東太郎]]([[利根川]])
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*筑紫次郎(筑紫二郎)([[筑後川]])
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*四国三郎([[吉野川]])
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==関連項目==
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*[[アニミズム]]
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*[[汎心論]]
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*[[擬人法]]
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*[[:en:funny animal]] - コミックや[[カートゥーン]]等に登場する、擬人化された動物キャラクターのこと。
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*[[たん (接尾語)]]
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*[[萌え擬人化]]
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== 外部リンク ==
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* [http://www.gijinka.org/blog/ 擬人化.org]
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* [http://f39.aaa.livedoor.jp/~gizinka/index.html 擬人化検索]
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{{jawp}}
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[[Category:神話|きしんかん]]
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[[Category:フィクション|きしんか]]
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[[Category:文学|きしんか]]
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[[Category:アニメ|きしんか]]
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[[Category:マンガ表現論|きしんか]]
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[[Category:心|きしんか]]
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[[Category:思考|きしんか]]
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[[category:世界観|きしんか]]
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[[category:萌え属性|きしんか]]
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[[category:萌え擬人化|*きしんか]]
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[[category:キャラクターデザイン|きしんか]]
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[[en:Anthropomorphism]]

2015年5月8日 (金) 16:57時点における版

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擬人観(ぎじんかん)とは人間以外の動植物、無生物、事物、自然、概念、などに対し、人間と同様の姿形、性質を見いだすことである。

英語ではAnthropomorphismだが、実際にはw:Personificationの訳語として用いられることのほうが多い。しかしPersonificationはより広い意味を持つ。そのため厳密にはAnthropomorphismは「人間形態化(観)」とでも翻訳すべきだが、どちらも「擬人化(観)」という訳語が定着している。

多くの神話では神々に対して擬人観的な方法手段を用いている(例えば、ギリシャ神話ヒンズー神話日本神話など)。

日本では伝統的・宗教的に偶像崇拝タブー視されにくかった為、擬人観に対する抵抗が低い。このため日本人は無生物であるロボットに対しても擬人視して扱うことが多い。日本においては「森羅万象全ての物に魂が宿っている」という多神教の考えもあるため、擬人視は神道に通ずるものもある。

古代ローマの宗教ではさまざまな存在や概念に与えられた名詞がそのまま神格となっており(勝利=勝利の女神=ウィクトリアなど)、擬人観はほとんど空気のような概念だった。

しかしその一方で現在西欧では、キリスト教ユダヤ教では神を擬人視することに対し否定的であり、また「人は人」「他は他」という思想により、そういった擬人観的な要素は少ない。とはいうものの、難解な抽象概念やアレゴリーなどは「無学者の書」とも呼ばれた絵画によって擬人視されることもしばしばあった。この伝統はカリカチュア漫画へと連なってゆく。

概要

擬人化(ぎじんか)とは擬人観を元に、対象を人間のように見る(表現する)ことである。

擬人化の具体例をあげると、まず自動車鉄道車両の絵を描く際に車体前面を人間の顔に模して描いたり、ペットの動物や観葉植物に対し、人間相手のように話しかけたりする行為などが挙げられる。

フィクションの擬人化

また創作の世界で動植物・無生物などが人格のある存在として描かれることや、漫画アニメ等で人間外の動物が動物の耳や尻尾を備えた人間の姿で描写されることも擬人化である。

乳幼児期の子供は、一般的に動植物・無生物などを擬人視して考える傾向にある。そのため、この年代を対象とした絵本や漫画・アニメでは動植物・無生物などが擬人化されて登場することが多い。

擬人化された動物キャラクターの歴史は古く、日本最古の漫画ともいわれる『鳥獣戯画』にも擬人化されたカエルウサギなどが登場する。

異なるの(擬人化された)動物が一緒に生活しているという世界設定の物語の場合、捕食-被食関係は無視されて「みんなお友達」として描写される場合と、実際の動物と同様に捕食-被食関係が存在している場合とがある。

江戸時代草双紙『心学早染草』(しんがくはやそめぐさ)では、人の心の善悪を善玉悪玉というキャラクターで擬人化している。

また、作品によっては擬人化された動物と擬人化されていない動物とが共存している描写も見受けられる(ディズニーキャラクターのグーフィープルートはその典型的な例)。

主な例

アニメ・絵本の擬人化
歌の擬人化
  • 赤いトラクター(小林旭の歌。トラクターを男性に擬人化)
  • 怪傑黒頭巾(つボイノリオの歌。コンドームなどを擬人化)
  • くるみMr.Childrenの歌。「くるみ」とは、「これから来る未来」を女性に擬人化したもの)

サブカルチャーの擬人化

現代の日本では、漫画・アニメなどに関する同人用語で、ある物語に登場する動物系・非人間キャラクターを人間に置き換えて別の新たな物語を作ることや、動植物・非人間キャラクターや無生物などの外見を人間化(擬人化)したイラストを描く(またはコスプレで演じる)ことを特に擬人化とジャンル分けする場合がある。

この場合、該当キャラクターや無生物をイメージしたコスチュームを着用した人間として描かれる(コスプレされる)ことが多い。ただし、元のキャラクターが服を着ている場合は、それと同じ服を着用した人間として描かれる(コスプレされる)ことが多い。同人の枠を超え、「びんちょうタン」や「090えこといっしょ。」など商業キャラクターも生まれている。

主な例(サブカルチャー)

既存キャラクターの擬人化
コンピュータ関連のプロダクトの擬人化
その他の商品・事象等の擬人化


動植物の擬人化

擬人名

擬人名(ぎじんめい)とは、人間以外の動物や無生物、行為などを擬人化して呼ぶ名前である。

主な擬人名の一覧

ここでは、慣用的に広く用いられる擬人名の中で主なものを挙げる。

の擬人名

の擬人名

関連項目

外部リンク

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