松島駅

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松島駅(まつしまえき)は、宮城県宮城郡松島町松島字小梨屋にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線である。塩釜駅 - 当駅間の駅間距離は東北本線全体でも最も長い。

この記事では、岩切駅 - 品井沼駅間の旧線に存在していた、初代の松島駅についても記述する。

歴史[編集]

東北本線を建設した私鉄であった日本鉄道が、1890年明治23年)4月16日にこの区間を開業した際には、岩切駅 - 小牛田駅間は山沿いのルート(現在の利府駅経由、利府駅は1894年開業)で開業し、この区間に初代の松島駅が置かれていた(テンプレート:ウィキ座標)。その後、1913年大正2年)3月20日に利府駅 - 当駅間に赤沼信号所、1918年(大正7年)8月16日に当駅 - 鹿島台駅間に幡谷信号所が設置され、これらは1922年(大正11年)4月1日に名称改正で信号所から信号場とされた。そして幡谷信号場は1932年昭和7年)12月26日に駅に昇格し、品井沼駅となった。

利府駅・初代当駅を経由する東北本線は、最大16.7パーミル勾配を抱える区間であった。このために補助機関車の連結を必要としていた。

第二次世界大戦中に、輸送力増強の必要性から海岸周りの勾配の緩い路線を建設することになり、1944年(昭和19年)11月15日に開業した。旧線は山線、新線は海線と通称された。ただし当初、海線は貨物列車専用であった。2代目の松島駅は、この海線上に新松島信号場として、路線開業と同日に開設された(テンプレート:ウィキ座標)。

第二次世界大戦後になると、距離は山線が21.2km、海線が21.6kmと海線の方が400m長いものの、勾配が緩く曲線半径も大きいなど線形が良いことから、海線の方に旅客列車が運転されるようになっていった。また、海線にあるトンネル複線対応で掘られており、用地も多くが複線で確保されていたこともあり、複線化に際して海線の方が選択されることになった。この方針が固まったことから、1956年(昭和31年)7月9日に新松島信号場が新松島駅へ昇格した。

複線化工事が進展し、1962年(昭和37年)4月15日には陸前山王駅 - 新松島駅間が、4月20日には新松島駅 - 品井沼駅間が複線化された。これにより、山線の松島駅 - 品井沼駅間が4月20日に、利府駅 - 松島駅間が7月1日にそれぞれ廃止となった。山線の岩切駅 - 利府駅間は、利府に代替交通がないとの理由で存続し、現存している。初代松島駅廃止に伴い、同日新松島駅が改称されて2代目の松島駅となった。また、初代松島駅と2代目松島駅の距離が離れていたことから、初代松島駅に近い海線上に同日愛宕駅が開設された(テンプレート:ウィキ座標)。

(初代)松島駅の駅舎は、今も松島町健康館の建物として利用されている。また、宮城電気鉄道(現・JR仙石線)の運営会社が設立された1922年(大正11年)に、(初代)松島駅前から松島海岸まで松島電車という路面電車が開通したが、1927年(昭和2年)に宮電・松島公園駅(後のJR仙石線・松島海岸駅テンプレート:ウィキ座標)が開業すると業績不振に陥り、1938年(昭和13年)に廃止された。

年表[編集]

  • 1894年明治23年)4月16日 - 日本鉄道により山線上に初代松島駅開業。
  • 1906年(明治39年)11月1日 - 日本鉄道国有化、国有鉄道の駅となる。
  • 1944年(昭和19年)11月15日 - 海線開業、新松島信号場(しんまつしましんごうじょう)開業。
  • 1956年昭和31年)7月9日 - 新松島信号場が新松島駅(しんまつしまえき)に昇格。
  • 1962年(昭和37年)
    • 4月15日 - 陸前山王駅 - 新松島駅間複線化。
    • 4月20日 - 新松島駅 - 品井沼駅間複線化。山線の松島駅 - 品井沼駅間廃止。
    • 7月1日 - 山線の利府駅 - 松島駅間廃止、同日新松島駅を改称して2代目松島駅とする。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
  • 2003年平成15年)
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
    • 3月28日 - 始発列車より新駅舎の供用開始。
  • 2013年(平成25年)
    • 10月1日 - 直営駅(松島海岸駅所属松島駅在勤)から業務委託駅(JR東日本東北総合サービス)となる。

仙石線との接続線設置[編集]

詳細は 仙石東北ライン を参照

2011年の東日本大震災で不通となっている仙石線の高城町駅 - 陸前小野駅間の復旧工事の終了に時期をあわせて当駅付近と高城町駅付近の間に接続線を設け、仙石線の石巻駅方面からの列車を東北本線に乗り入れ仙台駅まで直通させる計画がある[1]

当駅は登記上の接続線分岐駅となるが、実際の分岐点は塩釜駅 - 当駅間に設けられるため、当駅に接続線経由列車の乗降設備は置かれない。ただし、経由列車は当駅を経由するものとして扱われるため、塩釜駅 - 当駅間に区間外乗車の特例が設定される予定[2]

駅構造[編集]

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅になっている。ホームはカーブしている。互いのホームは跨線橋で連絡している。仙台方面から当駅で折り返す列車も多数設定されている。

松島海岸駅管理の業務委託駅JR東日本東北総合サービス委託)である。みどりの窓口(営業時間 6時40分 - 21時、休止時間あり)・自動券売機自動改札機設置。通常の改札口の隣に臨時改札口を備えており、8月17日松島灯籠流し花火大会で使用されることがある。ただし臨時改札口には出改札機器は設置されておらず、SuicaなどICカード利用客は通常の改札口を使用しなければならない。

2009年平成21年)12月より、駅舎老朽化等のため仮駅舎を設置しての建て替えが行われた。新駅舎は、「日本三景松島」に合わせた和風建築でホームの段差50cmを解消しバリアフリー化を図っており、2010年(平成22年)3月28日始発より供用が開始された。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1 東北本線 上り 塩釜仙台方面  
2 東北本線 上り 塩釜・仙台方面 当駅始発のみ
下り 小牛田一ノ関方面 待避列車のみ
3 東北本線 下り 小牛田・一ノ関方面  

当駅における車両の夜間滞泊はなく、夜間帯に2本設定されている当駅止まりの列車は、いずれも仙台駅まで回送される。ただし、仙台駅構内にて工事が行われる等の場合は、当駅止まりの最終列車がそのまま留置され、翌朝の当駅始発列車として使用されることがある。

利用状況[編集]

2013年度の1日平均乗車人員は1,354人である。

年度 一日平均
乗車人員
2000年 1,731
2001年 1,634
2002年 1,588
2003年 1,581
2004年 1,582
2005年 1,527
2006年 1,477
2007年 1,473
2008年 1,494
2009年 1,405
2010年 1,320
2011年 1,438
2012年 1,398
2013年 1,354

駅周辺[編集]

海からやや離れた場所にあり、松島・五大堂マリンピア松島水族館などの観光地へは仙石線松島海岸駅の方が近いことから、仙台駅などでは観光利用については仙石線を利用するよう案内がなされている。

当駅からの仙石線への乗り換えは、役場前を経由して徒歩15分程度(約1km)の位置にある高城町駅が最も近いが、当駅など東北本線各駅から仙石線各駅への徒歩連絡は運賃制度として特に考慮されていない。

バス[編集]

松島町営バスは松島中央公民館、大郷町住民バスは高城町停留所が始発(いずれも高城町駅が最寄り)であり、当駅には乗り入れないが、徒歩での移動が可能。

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道
東北本線
直通快速
通過
普通
塩釜駅 - 松島駅 - 愛宕駅

初代松島駅の隣の駅[編集]

日本国有鉄道
東北本線(山線)
利府駅 - 赤沼信号場 - 松島駅 - 品井沼駅

松島 - 品井沼間は1962年(昭和37年)4月20日に、利府 - 松島間は同年7月1日にそれぞれ廃止された。赤沼信号場は1950年(昭和25年)10月1日廃止。

脚注[編集]

  1. () 仙石線と東北本線との接続について PDF 東日本旅客鉄道仙台支社、2012年10月18日 [ arch. ] 2012/11/13
  2. 石巻線および仙石線の全線運転再開と仙石東北ライン開業に伴う営業キロの変更及び運賃の適用等についてPDF  - 東日本旅客鉄道仙台支社、2015年1月29日、同日閲覧。

参考文献[編集]

  • 三宅俊彦「仙台駅の今昔」、『鉄道ピクトリアル』第833巻、電気車研究会、2010年5月、 pp.17 - 24。
  • 祖田圭介「東北本線路線改良史」、『鉄道ピクトリアル』第833巻、電気車研究会、2010年5月、 pp.48 - 56。
  • 『停車場変遷大事典』 JTB、1998年、初版(日本語)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]