ボッタクリ

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ボッタクリ(ぼったくり)とは、店側の客への不正行為で、商品サービス相場を大幅に上回る価格で提供し、客を欺くことを指す。

語源は米騒動の際の暴利取締令にて「暴利」を活用させたものであり、しばしば短縮されて「ボッタ」、動詞として「ぼったくる」「ぼられる(ぼる)」と表現されるとともに、朝鮮語では「バガジ」と呼ばれている。

風俗業においてのボッタクリ[編集]

  • サービスの後で異常な上乗せ料金の請求。キャバクラで多発。
  • 知らないうちに高額なボトルが入っていたり、延長確認を遅らせ強制延長など。
  • 前金を受け取った後に十分なサービスをせずに客を追い出す。
  • 性的サービスを受けるためには追加料金が必要として料金を請求(いわゆるたけのこ剥ぎ)。
  • 払った金額の割りに、容姿の劣る女性を出されたときなどに揶揄する意味合いで使われることがある。
  • パチンコパチスロ、あるいはアミューズメント施設におけるプライズマシンなどでは、極端に還元率の低い(控除率の高い)営業をしている店舗に対して使われることが多い。例えば、全台最低設定で営業するパチスロ店や、市価800円の景品に対して3000円以上投資しなければ景品を取得できないようなアミューズメント施設もボッタクリと呼ばれることがある。
  • 一部の風俗情報誌では明瞭会計でぼったくりのない店舗のみを優良店として掲載している。
  • 一部の地方自治体では都道府県においてぼったくり防止条例を制定し、風俗業に対して「料金等の表示義務」「不当な勧誘等の禁止」「不当な取立ての禁止」している場合がある。条例のない自治体では泥酔させた客の金融機関の口座から現金を引き出す手口は窃盗容疑で、泥酔させた客本人に金融機関の口座から現金を引き出させる手口については準詐欺容疑で摘発例がある。

飲食店においてのボッタクリ[編集]

店外に料金表示を行わないか、または意図的に誤解を招くよう表示する場合が多く、会計時に法外な料金を請求されること。飲食費以外に法外なサービス料を請求する場合もある。寿司屋の「時価」など。

この手のボッタクリ店舗はスナックキャバクラなどに見られたが、最近では居酒屋ガールズバーにもボッタクリを行う店があり、実態とは違う情報伝えたり必要な情報を伝えなかったキャッチや、恫喝をした店長らが恐喝罪詐欺罪で告訴されたり、客に暴力を加えて代金を奪い取ったりした店長らが強盗致傷罪で逮捕されるなどするケースもある。また、インターネットのグルメの口コミサイトや匿名掲示板等では「○○(ボッタクリの居酒屋の店名)」は絶対に行くな、と注意を促す書き込みが見られる。その他にも、追加料金がぼったくりと言えるか言えないかぐらいの少額な「プチぼったくり」の飲食店もあり、渋谷センター街などで問題になっている。

歌舞伎町のぼったくり被害が激化(2015年5月)[編集]

2008年に閉館した新宿コマ劇場の跡地にシネコンや高層ホテルなどが入った「新宿東宝ビル」がオープンし、街の雰囲気が一変した歌舞伎町。同ビルの8階テラスには東宝の象徴「ゴジラ」の巨大な頭部が設置され、それを国内外の観光客たちが撮影する姿が日常的になっている。

同ビルにつながるセントラルロードも改修され、バイオレンスなイメージだった周囲は激変。歌舞伎町商店街振興組合は「安心・安全な街に」と意欲を見せており、石原慎太郎都知事が進めた「歌舞伎町浄化作戦」の流れを汲んだ再開発が街を変えている。実際、昼間の歌舞伎町はキャッチ(客引き)の数がめっきり減った。

だがそれは表向きであり、最近の歌舞伎町では「ぼったくり被害」が激化している。

「キャッチ(客引き)に『1時間5000円で飲み放題』といわれ、連れと二人でお店に入ったんです。女の子が4人ついて彼女たちは次々とドリンクを注文していました。女の子用のドリンクは量が少なく、何杯も飲めるようになっていたようです。会計時に請求されたのは25万円。女の子のドリンク料金が一杯4000円だとか……。事前に説明されていないから納得できないと店員と押し問答したのですが、驚いたのは向こうから『警察に行こう』と言ってきたことです。後に警察が全く助けてくれないことを知りました」

ぼったくりキャバクラの被害に遭った男性(30代)は被害の実態を上述のように語ってくれた。

警察に駆け込めば何とかなると思いがちだが、ぼったくり店は警察を全く怖がっていない。なぜなら警察は「民事不介入」の原則があり、料金をめぐる揉め事には手が出せないのだ。実際、交番に行っても「よく話し合ってください」と言われるだけで何も事態は変わらない。歌舞伎町の交番前は週末の深夜ともなると、何組もの被害客とぼったくり店員が揉めている「行列のできる交番」状態になっている。

前述の被害男性は警察官にすがるも何の解決にもならず、朝7時まで6時間近く店員たちによって拘束された。根負けした男性は連れと折半でカード支払いすることになった。

歌舞伎町でのぼったくり被害は昨年一年間で110番通報が約670件だったが、今年は1~3月だけで約700件と急増。「安心・安全」どころか、今が最もアブナイ状態になっている。

「オリンピックに向けて規制が強化されるため、ぼったくり店側はその前に荒稼ぎしようとしている。乱暴な手口が増えて被害額が大きくなり、実行部隊は逮捕を恐れない半グレのような連中ばかりですから歯止めが利かない。また、日本人だけでなく外国人観光客を狙ったぼったくりも増加しています」(裏モノ系ライター)

東京や大阪をはじめとした自治体には「ぼったくり防止条例」が存在する。同条例は「料金等の表示義務」「不当な勧誘等の禁止」「不当な取立ての禁止」が規定されているが、なぜ警察が条例を使って取り締まることができないのか。

これは同条例が「ザル法」化していることが原因。「料金等の表示義務」は後からコッソリと料金表を出したりといった手段でいくらでもすり抜けが可能だ。最初に説明された料金と違うという問題も、キャッチは店に入る前に姿を消してしまうため、店側がキャッチと無関係と主張してしまえば覆すのが難しい。これは同時に「不当な勧誘等の禁止」も形骸化させてしまう。

「不当な取り立ての禁止」は脅迫的な取り立てを禁じるものだが、これは店側が一見丁寧な言葉遣いで請求すれば該当しなくなってしまう。また、もし乱暴な言動があっても「言った、言わない」の水掛け論になり、不当な取り立てを証明するのは難しい。

法外な請求をしている時点で犯罪のようにも思えるが、店は値段を自由に決めていいのだから何をもって「法外」とするかの判断は警察にはできないのだ。

となると、ぼったくり被害は泣き寝入りするしかないように思えるが撃退は不可能ではない。

「身分を明かした上で自分が適正だと思う金額を支払い、『不服があるなら訴訟を起こしてほしい』と言い残して帰ってしまう手がある。ぼったくり店は当然ながら後ろ暗いことがある商売。訴訟はリスクが高いため、裁判に持ち込まれることはほとんどない。裁判になったとしても、司法は警察と違って相場を鑑みてくれますから不当請求が認められるだけ。ただ、身分を明かすリスクがあるので最善策とは言い切れませんが……」(前同)

帰ると言いだせば店員側の暴力が心配だが、交番まで来ていれば警察官の目前で暴行されることはない。交番の前からタクシーに乗り込めば成功だ。それを店員側が強引に止めるようなら「強要罪」などに当たり、警察を動かすことも可能になるかもしれない。

だが、ぼったくりする側にも立場がある。せっかくのカモを逃せば上役に怒られるのだから彼らも必死だ。客側にしてみれば、逆恨みで何をされるか分からないという恐怖もある。

「請求額のすべては払わなくとも、相手の顔が立つ金額を渡すのが上策。ぼったくりの連中も手ぶらでは帰れませんが、3分の1から4分の1程度の金額で交渉すれば妥協してくることがある。夜の街の勉強代と考えれば諦めのつく金額でしょう。その交渉が上手くできる自信がないなら弁護士を呼ぶのもいい」(前同)

新宿だけでなく、ほかの繁華街でも被害は拡大している。

そもそも被害に遭わないためには「キャッチについていかない」が鉄則。優良店は客引きを使う必要がないため、キャッチは100%ぼったくりといっても過言ではない。客引き行為自体も条例で禁止されているものだ。これから歌舞伎町はより注目度が高まっていく場所だが、高い勉強代を払わないように自衛しよう。

日本国外においてのボッタクリ[編集]

  • 東南アジアでのボッタクリは、観光客(日本人・その他外国からの観光客両方)に対して、飲食店風俗店小売店交通機関タクシーバイクタクシーシクロリクシャー)などその他あらゆる場面で行われうる。東南アジアの市場・商店などでは商品に対して「値札」が表示されていないことが多く、商品購入時には口頭で価格交渉が行われる。その際に現地での市価相当額(相場)を知らない観光客に対して市価以上の金額を提示することでボッタクリを行うことが通常である。
  • 日本人観光客などは、店員が最初に告げた価格が日本における一般的な物価と比較して安い場合、ボッタクリを気にせず購入することも多いが、その価格は市価の数倍から数十倍にもなることがある。こうした無知が、現地価格を吊り上げている場合が多い。
  • 観光客だけがぼったくり価格で商品を購入することになるため、このような価格のことを日本人価格外人価格などとも呼ぶ。逆に、市価相当の価格のことを現地人の価格ということで現地価格と呼ぶ。
  • タクシーなどでは、東南アジア・南アジア・中東・東ヨーロッパ・南米などの国や地方ではタクシーメーターが無いもしくは価格交渉が一般的なため、相場を知らない外国人に法外な価格を提示することがある。またメーターがあっても(課金ボタンの連打や改造メーターなどの)不当な方法で課金したり、メーターを隠すことで不当な価格を支払わせることがある。そのほか、ガソリン代を請求したり、ワザと回り道をすることで通常より長い距離を走って稼ぐなどなどの手法もある。
  • 飲食店では、現地語で書かれたメニューと、外国語で書かれたメニューの二種類を用意し、外国語メニューに現地語メニューより高い値段を記載したり、値段そのものを記載せず、レジで不当に割高な価格を支払わせることもある。
  • クレジットカードでの支払いでは、クレジット会社への店側が支払うべき加盟店手数料(3〜5%)を上乗せされた額が請求されることがある他、カードリーダーに通して請求が発生したことを確認してから、「このカードは当社では使えない」などと言って現金での支払いを要求し、二重請求を行うなどの手法がある。

アジアのほか、ヨーロッパや中南米においても、特に日本人がボッタクリに遭うケースが少なくなく、日本国外旅行の情報サイトや日本国外個人旅行の書籍「地球の歩き方」や外務省の海外安全情報などに注意が喚起されている。

関連項目[編集]