天文学

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天文学(てんもんがく、Astronomy)とは、天体天文現象など、地球外で生起する自然現象の観測、法則の発見などを行う自然科学の一分野。地球科学物理学の一分野とされることもあり、位置天文学天体力学天体物理学などから構成される。位置天文学は天体の位置を、天体力学は天体の運動を研究する学問で、天文学の中でも古典分野とみなされている。

これに対し、天体物理学は天文学の近代分野とみなされており、天体の物理状態や進化を研究する学問である。宇宙物理学は、天文学で観測した天体のふるまいを物理学的に解明しようとする学問である。天文学のほとんどの分野は物理学を前提として成り立っており、観測結果は物理的に説明されることがほとんどである。そのため、天体物理学と宇宙物理学は非常に近い意味で使われている。

天文学は、数ある科学のなかでもアマチュアが活発に活動している数少ない分野である。特定の天体を追跡したり、彗星小惑星などの新たな星を発見するといった、様々な形でアマチュアによる活動が行われている。

また、天文学で扱うスケールは日常的なスケールと比較して非常に大きくなるため、大きい数量を俗に「天文学的な~~」と表現することがある。

天文学の各種分野

天文学は、天文現象へのアプローチの仕方によって大ざっぱにいって、観測天文学と理論天文学に分けることができる。観測天文学では、天体の現象を観測し、膨大なデータを収集する。理論天文学では、それらの現象を説明するモデルや理論、原理などを発見したり、作り出したりする。惑星や銀河の生成理論などにおいてはコンピュータによるシミュレーション実験も多用される。

より一般的には、それぞれの研究者の扱う研究対象や手法によって分野が分けられる。たとえば、銀河の挙動を中心に研究する銀河天文学など宇宙の特定の天体を扱うもの、宇宙論や星形成論など特定の問題を扱うもの、電波天文学や光学天文学など天体を観測する手法による分類などができる。

また科学の3要素である物理学-化学-生物学を含むため、天文学全体を天体科学と呼ぶこともある。

研究対象に基づく分類

(注1)本分類は、歴史的発展に基づき作成したものである。天文学分野で最初に研究が行われたのは、暦であり、そこから、海上を移動する際に現在位置を知るために発展した位置天文学へと繋がる。そして、その位置天文学に基づく観測の結果から天体力学へと発展を遂げたものである。また、宇宙論は、神話や宗教等によって、民族の誕生を正当づけることを目的に始まったかも知れないが、それらは様々な伝承の形で現在に至っている。宇宙論が、きちんと物理学的に探求されるようになったのは、近代に入ってからである。その他の、観測分野にしても同様であり、天体観測が系統的に行われるようになってからのことである。</br> (注2)本分類は、観測対象=研究対象という意味もある。暦の場合には、地球の自転についての研究である。そこから発展する形で、惑星運動の研究が行われた(ケプラーの法則)。宇宙論に関しては、仮説から観測によって、ビッグバン宇宙論が確立し現在に至っている。銀河の観測については、彗星ハンターと呼ばれる人々によって開始され、大型の観測装置が設置されることになってから詳しく研究が行われるようになったものである。最後に地球に関しては、様々な神話の時代から探求が行われ、地上で起こる現象や地理学的な知見によって、地球物理学が発展してきたものである。地球化学に関しては、地球全体における化学的収支を明らかにするために、研究が行われている分野である。

観測媒体による分類

電磁波を用いる天文学

一般に、温度(エネルギー)の高い物体からは波長の短い電磁波が放射されるので、短い波長を用いれば、エネルギーの高い天体現象を観測することができる。天文学を以下に波長によって分類する。

電磁波以外の媒体を用いる天文学

関連分野・学際分野

<Note.>宇宙科学は、地球以外の天体を対象とする天文学の分野である。特に、宇宙観測機や宇宙探査機、有人宇宙飛行等によって、大気圏外の様々な現象を研究することが目的。なお、宇宙医学は、宇宙飛行士による、長期滞在実験(ソユーズ計画、スカイラブ計画サリュート計画、ミール計画、スペースシャトル計画、国際宇宙ステーション(ISS))によって、現在も研究が進められている。この目的は、当面はへの恒久基地建設に伴う長期滞在、火星への有人探査計画であるが、将来的には人類の宇宙活動が、生産や居住等にまで拡大した時代を見越して研究が進められている。また、宇宙生物学は、比較的新しい分野であるが、地球以外の星に生命が居住するならば、宇宙由来のたんぱく質やDNA(まだ見つかっていない)等の研究を行う分野である。

天文学史

詳細は天文学史を参照のこと。

関連項目

外部リンク